くろのしろい日記

たぶんチェス中心に書いていくつもりの日記

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アンダープロモーションのすすめ

チェスプレーヤーなら誰もは一度はいつでもできるように準備しようとしたことがあるのではなかろうかという激レアな超必殺技「アンダープロモーション」というのがあります。

特に中二病諸君に人気のあるチェス必殺技と言えばエクスチェンジサクリファイスに並ぶ有名どころがそれであろうと思われます。

しかし!

レアすぎて中々お目にかかれない上に、実践でできる状態になっても中々気づけない!
ということで本日はアンダープロモーション実践譜をいくつか紹介したいと思います。

こういう場面でアンダープロモーションすればいいんだというですね。
あとはみなさん自力で頑張ってください。

最初の話として、chessgames.comという私がいつもお世話になっているサイトには、マスタークラスの棋譜が数百万収集されているわけですが、その中でのプロモーションの内訳が、
クイーン96.9%、ナイト1.8%、ルーク1.1%、ビショップ0.2%というものでした。

ここは、注目の棋譜が集められることが多いので、もしかしたら公式戦全体から見てアンダープロモーションの濃度が濃くなってるかもしれませんが100回中3回くらいはアンダープロモーションが使われているという計算です。



【ナイトを選んだ例】

まずはこの人、
2009年、ウラジミール・アコピアンvsセルゲイ・カリヤキン


世界チャンピオンへの挑戦者を決める大会へ出場するための選考大会での出来事です。
ここからたしか成績上位者が挑戦者決定トーナメントに出場可能となるもの。

さて、対局は最終71手目の白アコピアンさんが a8=N! 華麗なアンダープロモーションで勝利をつかみました。
もしこれが 71.a8=Q とクイーンにプロモーションしていたらどうなっていたでしょうか?

黒はクイーンでb2のポーンを取った後永久チェックで引き分けに持ち込むことが可能です。

次、
【ルークを選んだ例】



これは分かりやすいんじゃないでしょうか?
クイーンを選ぶと即座にクイーンの押し売りでステイルメイトです。


【ビショップを選んだ場合】



61.a8=B!! というすごい手が出ました。初めて見たときはよく分からなかったのですが、これはクイーンorルークだと黒クイーンを f7 に捨てれば強制手で取らなければならずその盤面はステイルメイトになってたりします。
ナイトにプロモーションした場合はちょっとややこしいのですが、ナイトのみが残る形になりやはり引き分けのようです。


参考になったでしょうか?
やはり引き分け逃れに使うことが多いようです。

その他にもこういう引き分けを狙うためのアンダープロモーションも存在します。

【引き分けるためのアンダープロモーション】



超難しいですがキング+ナイトvsキング+ルークは最善手で引き分けです。
もし、プロモーションの段階でクイーンを選んだ場合はルークにより1手でチェックメイトです。

こういう使い方もあるということですね。

アンダープロモーションは引き分けルールと密接な関係があるようです。引き分けルールの理解がアンダープロモーション手順発見の手がかりになるやもしれません。
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チェス世界チャンピオン賞金額の歴史

さて、今日は久しぶりにお金の話をしましょうか。

というのも最近chess.comの記事をよく読むようになったのですが、その中にこんなものがありました。
How Much Money Do World Chess Champions Make?

要は、「チェス世界チャンピオンはどのくらいお金を儲けてきた?」というchess.comスタッフさんの記事です。
今回はこれを紹介していきたいと思います。

あ、私の英語力はゴミなので大体の訳だと思ってください。細かいことが知りたい方は上のリンクから元記事を読んでくださいね。



まずチェスのトップ選手(トッププロ)たち、具体的にはファビアーノ・カルアナさんやベセリン・トパロフさん、レヴォン・アロニアンさん、アレクサンドル・グリスチュークさん、ウラジーミル・クラムニクさん、アニッシュ・ギリさん、セルゲイ・カリヤキンさん、ヒカル・ナカムラさん、ボリス・ゲルファンドさん、ウェズリー・ソーさんあたりは毎年のようにトーナメント賞金だけで50万ドル(2016年10月26日時点で5千210万円)は稼いでいますよと。

そんな中、チェスでのお金は上位に手厚いシステムになっていますとのこと。
例えば、Sinquefieldカップという世界一レベルの超強い人しか招待されないチェスの世界大会で優勝したら10万ドル(2014年の話)もらえます。

しかし、その2014年の世界選手権(世界チャンピオン決定戦)では12番勝負中一回も勝てずに敗退したとしても、その5倍の50万ドルもの賞金が手に入ります。
ここでは、その世界選手権の賞金額についての歴史を見ていきましょう。



まず、制限時間制度が導入されて以来初の世界選手権
1886年シュタイニッツvsツケルトート 800英ポンド

これは2人の賞金総額なので、1人分の賞金は勝者が70%だったり60%だったりもしくは折半だったりの場合もあります。
この賞金は折半らしいので50%の400ポンドが世界チャンピオン賞金ですね。

この400ポンドっていくらくらいの価値あったのよ?という当然の疑問がわいてきたので調べました。
1880年くらいにイギリスポンドと円を両替した人がいたそうで、1ポンドあたり5円の割合で両替したそうです。
つまり、2000円の賞金ということになりますが、当時の日本の物価はお米換算で、当時の5銭が今の500円くらいだと推定できるようなので現在の貨幣価値に換算して約2000万円ですね。

まあちょっと違うかもですが大体そんなもんだと思ってください。



1891年シュタイニッツvsグンスベルグ 3000ドル

今度は勝者が3分の2持って行ったそうなのでチャンピオン賞金2000ドルですね。
現在の貨幣価値に換算してみましょう。ざっと調べたところ、この頃は1ドル=1円だったようです。

なので2000円。たった5年でそこまで劇的に物価は変わらないだろうとも思ったのですが、一応当時の日本の物価を調べてみたところ大体同じかちょっと上がったかだったと思います。
なので現在の貨幣価値に換算して約2000万円



1921年カパブランカvsラスカー 2万5000ドル

ここでは勝者のカパブランカは1万2000ドルしか受け取れなかった(勝者の方が敗者より賞金が少ない)と書いてありますね。何があったんでしょう。
現在の価値に直すと、調べてみたところ1ドル=2円の時代。つまり2万4000円。調べてみると大卒初任給50円の時代です。2016年では大卒初任給大体20万円が平均のようなので適当に計算すれば、現在の貨幣価値に換算して9600万円



1927年アレヒンvsカパブランカ 1万ドル

出演料2000ドルをカパブランカは受け取ったと書いていますが勝者アレヒンは8000ドル受け取ったと考えていいのでしょうか?
とりあえずそう仮定しておきましょう。つまりさっきと同じ計算をすると、現在の貨幣価値に換算して約6400万円



1935年エイベvsアレヒン 1万ドル

今回は勝者総取りともとれる書き方がされていますね。
つまり、当時の1ドル=5円だったそうなので5万円、大卒初任給70円の時代だったそうなので現在の貨幣価値に換算して約1憶4300万円くらい?



1966年ペトロシアンvsスパスキー 2000ドル

これはおそらく勝者総取りのようですね。
この時代1ドル=360円らしいので72万円。1968年の3万円が現在の13万8000円の価値との記述をネットで拾ったのでそれを信じて66年も68年も同じようなもんだと思って計算をします。

すると、現在の貨幣価値に換算して約324万円

・・・結構減りましたな。
この時代、チェス世界チャンピオンは旧ソ連選手のたらいまわしとも言われていた時代だったので、なんというか悪い言い方するとマンネリ化でもしてたんでしょうかね?
頂点だけにたくさん支払わなくてもこの頃のソ連の国家をあげたチェスの英才教育は金が行き渡っていたのかもしれないです。



1972年フィッシャーvsスパスキー 25万ドル

WIKIとか見ると勝者は8分の3の15万6250ドルを手に入れたらしい。
この時代1ドル=300円くらいだそうなので4687万5000円。この時代の5万2700円が15万7000円くらいだそうなので、それを信じると現在の貨幣価値に換算して約1憶4000万円



1978年カルポフvsコルチノイ 56万ドル

チャンピオンは35万ドル獲得したようなので、この時代の決着がついたころのドル円は1ドル180円くらいだったそうです。
なので6300万円。
この頃の10万5500円が大体現在の15万円の価値らしいので、それを信じると現在の貨幣価値に換算して約9000万円



1990年カスパロフvsカルポフ 300万ドル

これは勝者が187万5000ドルだったそうなので、10月11月当時は1ドル=130円くらいだったので2憶4375万円。
この辺りから現在の貨幣価値に換算しようとすると逆にかけ離れたりする事態にもなりかねないような気もするので、詳しくは省きますが、まだ少し現在の価値にすると数字が上がるようなので約2憶5000万円としておきましょうかね。



1995年カスパロフvsアナンド 150万ドル

勝者は100万ドル獲得。当時10月は1ドル=100円という超計算しやすい為替だったようですね。
つまり約1億円



2000年カスパロフvsクラムニク 200万ドル

勝者は133万ドル受け取り。当時は1ドル=107円だそうなので物価も考慮して約1憶5000万円



これ以降はデータが残ってるのが多いからか情報が多いのですが、ここではあと2つだけ紹介。

2010年アナンドvsトパロフ 200万ユーロ

勝者は60%の120万ユーロ獲得。大体物価とかも考えると約1憶5000万円でした。


あとは【2013年チェスの世界トッププレーヤーの獲得賞金総額はおいくら?】で紹介した通り
2013年はカールセンvsアナンドで勝者は165万ドル=約1億6000万円

さあ、これが安いと見るか高いと見るか。

[ 2016/10/27 00:14 ] チェス雑学 | TB(0) | CM(0)

チェスチャンピオンのタッチアンドムーブ違反(待った)集

将棋の「待ったなし」に当たる言葉、「タッチアンドムーブ」というものがあります。
しかしながらチェスと将棋とでは少しだけ意味が違います。

将棋の待ったなしでは駒を持ちあげて打ち付けても、手を離さなかった場合もう一度同じ場所に駒を戻せば違う駒を動かすことも可能だったと記憶しています。
チェスの場合のタッチアンドムーブは、その名の通り最初に触れた駒が動かせるなら必ず動かさなければならないのです。

敵の駒に触れてしまった場合は、その駒を取らなければならないとされています。
触れた時点でその駒を動かすことは確定。手を離した時点で着手完了となる部分は将棋と同じです。

フレンドリーマッチなら許してくれると思いますが、公式戦では中々許してくれる人はいないと思います。
どこかで聞きましたが、ブリッツゲーム(早指し)では違反があった場合それを指摘した時点で違反者が負けになる感じだったと思います。

普通のゲームだと負けになるのか、戻してやり直しさせるのか、どちらにしてもアービター(審判員)さんに抗議することになりそうですかね?
公式戦やったことないんで正直あんまり知らないです。

さて、そんなタッチアンドムーブルールですが、この前扱った不正(チート)と似て非なるもので、結構無意識的に違反をやらかす人は多いようです。
それはプロレベルの人でも同じこと。

元全米チャンピオンのヒカル・ナカムラのタッチアンドムーブ違反疑惑の動画は(私の中では)記憶に新しいです。
元世界チャンピオンのガルリ・カスパロフさんや、今(2016年10月時点)の世界チャンピオンのマグヌス・カールセンさんの違反動画があったようなのでそれについても少し。

とりあえずyoutubeの動画用意しましたので追記部分にのせときます。
追記は「続きを読む」からどうぞ。

チェス用語入門講座

もう半年くらい前になりますが、チェスルール解説チェス用語講座の2つの動画をニコニコにアップロードしました。
機械の声が苦手な方は音声オフにしてください。発言は全て字幕で表示しています。

ルール説明↓


ゆっくりチェス入門(ルール解説)



チェス用語講座↓


ゆっくりチェス用語入門



チェスのルールに関してはチェス入門で復習していただいた方が早いかもしれないので丸投げ。
チェス入門

チェス用語については、動画で登場した用語を追記部分で文字に起こしておきます。
かっこいいチェス用語を教えてくださいとよく言われるのですが、私はよく分からないのでカッコ良さげと思った用語を教えていただければ次回からソレを紹介する方向で行きたいと思いますので、コメントとか待ってます。
追記は「続きを読む」をクリックしといてください。

[ 2016/10/22 19:11 ] チェス雑学 | TB(0) | CM(0)

国際チェス連盟の名簿から見るチェスが好きな国とは

はい。今日のテーマはチェスが好きな国です。

チェスが好きとはどういうことだと問われたとき、チェスを対局することが多い人を普通は指すのではないかと思ったわけですが、チェスをそれなりにやってたら腕試しにでも大会の公式戦に出場してみたいと思うのが心情というものではないだろうか?

特に、普通は大物棋士でもない限りお金払って大会に出場するわけですから、大会に出るということは金持ちでもない限り、チェスがどうしても好きなのかチェスの腕に覚えがあるのかだと考えられます。

冒頭からこんな話をして何が言いたいのか。
つまり国際チェス連盟プレイヤーリスト会員名簿?)に記載されている人が多い国がほぼイコール、チェス好きな国であり盛んな国なのではないかと。

数年前、チェス書籍翻訳家の水野さんがアメリカはこういうの好きな人多いからちょっと前はアメリカが一番多かったと思うと仰ってましたが今は果たしてどうなのか。
フィッシャーフィーバーのときは絶対多かったろうなというのも想像に難くないですし、chess.comというネットチェスサイトの登録者国別所属者数ランキングではアメリカがぶっちぎり1位でした。

さて、そういうわけで国際チェス連盟(FIDE)の公式HPから最新(2015年5月)プレーヤーリストのTXTファイルをダウンロードしてみます。

さーて数えるぞ~
リストにある名前の数なんと!51万1484人!!

気が遠くなるわ!!!

世界のチェス競技人口は5億人と言われていますが会員自体は1000分の1ですか。ちなみに私もチェスやってますが会員ではありません。
しかし、これは普通に数えてたら何年かかるか分からん。

というわけで情報処理しやすいXMLファイル版の名簿ダウンロードしてパソコンに数えてもらうことに。
しかしながら昔大学でXMLの使い方習った気がするけどすっかり忘れてしまった私。

エクセルで開けるらしいと知ったのでエクセルさんに頑張ってもらいました。

それによるとその51万1484人の中でレーティングを持っている人数20万8717人
今回の集計ではレーティングを持っていない人を含めた51万人の方から色々抽出してみました。

さて、まずは絶対的な人数が多い国はどこか

1位インド 4万8075人、全体の9.4%
チェスの起源の国が1位です。人によっては意外に思われるかもしれませんが、2013年までチェスの世界チャンピオンがインド人だったことを考えるとそう不思議ではないですね。

2位ロシア 4万5610人、全体の8.9%
チェス最強国と言われるロシアが2位です。今はよく知りませんがソ連の時代はチェス世界チャンピオン養成所が存在し、英才教育がされていたと聞きます。

3位フランス 4万932人、全体の8.0%
割と将棋との交流もよくあるこの国が3位です。フランス人少年がチェスの大会のため学校休んでたと聞いたことがありますが他の国でもよくあることなんですかね?

4位スペイン 3万5598人、全体の7.0%
私の中ではちょっと意外だった国です。強い国ですがあんまり印象にはなかったので。

5位ドイツ 2万9885人、全体の5.8%
最強国ロシアに次いでタイトル保持者が多い国ですので上位なのも納得です。

以下は順位と数字だけ。
6位トルコ 1万7815人、全体の3.5%

7位ポーランド 1万5271人、全体の3.0%

8位イラン 1万4618人、全体の2.9%

9位ギリシャ 1万4562人、全体の2.8%

10位イタリア 1万3458人、全体の2.6%

(日本120位217人、0.042%)全部で181の国と地域。
さて、ここまで調べて思ったのですが、人口100万人の国で100人いたことよりも、人口50万人の国で100人いたことの方がチェス好きな国言えるのではないか?と思えてきました。
インド人口多いからたくさんいても不思議じゃないんじゃね?的な。

なので各国の人口を調べるとWikipediaに一覧があったのでそれを当てはめてみました。しかしよくよく見るとデータは2010年のものだったので大体だとお考えください。

選手の割合が多い国はどこか

1位パラオ 国民162人に1人がチェス選手

2位アイスランド 国民217人に1人がチェス選手

3位モナコ 国民448人に1人がチェス選手

4位スロベニア 国民536人に1人がチェス選手

5位バルバドス 国民727人に1人がチェス選手

6位クロアチア 国民728人に1人がチェス選手

7位ギリシャ 国民780人に1人がチェス選手

8位アンドラ 国民818人に1人がチェス選手

9位モンテネグロ 国民929人に1人がチェス選手

10位スロバキア 国民978人に1人がチェス選手

(日本161位、国民58万3115人に1人がチェス選手)
今度はフェロー諸島などの属領は除外しましたがイングランドなどの地域は入れました。全部で173か国です。
パラオが1位とはこれまた意外ですね。

続きはGM人数から見るチェスが強い国の考察です。よろしければどうぞ。

[タグ] チェス
[ 2015/05/12 22:33 ] チェス雑学 | TB(0) | CM(4)
 
プロフィール

chlorine

Author:chlorine


HN: chlorine(くろーりん)
略して「くろ」というHNも良く使う

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